下水道技術検定3種の勉強法、過去問回答の記録

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下水道技術検定3種

令和6年(2024) 第50回 下水道技術検定 第3種 過去問

問1〜20

問1 次は、下水道法に規定する公共下水道の使用料を定める場合の原則につ いて述べたものです。最も不適切なものはどれですか。

(1) 能率的な管理の下における適正な原価をこえないものであること。
(2) 他の公共料金と比較して著しく高額とならないよう定めること。
(3) 定率又は定額をもって明確に定められていること。
(4) 特定の使用者に対し不当な差別的取扱をするものでないこと。

問2 次は、環境基本法に規定する事項について述べたものです。最も不適切なものはどれですか。

(1) 政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条 件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維 持されることが望ましい基準を定めるものとする。
(2) 事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売 その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物 が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要 な措置を講ずる責務を有する。
(3) 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずるばい 煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に 保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。
(4) 都道府県知事は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を 図るため、環境の保全に関する基本的な計画を定めなければならない。

問3 次は、下水の水質の検定方法等に関する省令に規定する事項について述 べたものです。最も適切なものはどれですか。

(1) BODについての検定は、試料採取後24時間以内に着手しなければならない。
(2) よう素消費量については、試料採取後直ちに検定に着手することができな い場合、試料を酸性にして保存しなければならない。
(3) SSについては、試料採取後直ちに検定に着手することができない場合、 10度以下0度以上の暗所に保存しなければならない。
(4) 試料は、検定しようとする放流水の水量が検定する日の最大値を示してい ると推定される時刻に、水深の中層部から採取しなければならない。

問4 次は、下水道法に規定する事業計画に定めるべき事項として最も不適切 なものはどれですか。ただし、公共下水道の場合とする。

(1) 終末処理場の用地取得完了の予定年月日
(2) 排水施設の配置、構造及び能力並びに点検の方法及び頻度
(3) 終末処理場以外の処理施設を設ける場合には、その配置、構造及び能力
(4) 工事の着手及び完成の予定年月日

問5 次のうち、水質汚濁防止法に規定する特定施設を設置しようとするとき に都道府県知事に届け出なければならない事項として最も不適切なものは どれですか。

(1) 特定施設の使用の方法
(2) 特定施設の操業開始時刻及び終了時刻
(3) 汚水等の処理の方法
(4) 特定施設の設備

問6 次は、悪臭防止法に規定する改善勧告について述べたものです。( )内 にあてはまる語句の組合せとして最も適切なものはどれですか。

(A) は、(B)の事業場における事業活動に伴って発生する悪臭原因物の排出が規制基準に適合しない場合において、その不快なにおいにより 住民の生活環境が損なわれていると認めるときは、当該事業場を設置している者に対し、(C)、その事態を除去するために必要な限度において、悪臭原因物を発生させている施設の(D)、悪臭原因物の排出防止設備の改良その他悪臭原因物の排出を減少させるための措置を執るべきことを勧告 することができる。

A B C D
1 都道府県知事 規制地域内 相当の期限を定めて 運用の停止
2 市町村長 行政区域内 遅滞なく 運用の停止
3 市町村長 規制地域内 相当の期限を定めて 運用の改善
4 都道府県知事 行政区域内 遅滞なく 運用の改善

問7 次は、電気事業法に規定する保安規程について述べたものです。最も不適切 なものはどれですか。ただし、事業用電気工作物は小規模事業用電気工作物 を除いたものとする。

(1) 事業用電気工作物を設置する者及びその従業者は、保安規程を守らなければならない。
(2) 事業用電気工作物を設置する者は、保安規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
(3) 経済産業大臣は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため必要があると認めるときは、事業用電気工作物を設置する 者に対し、保安規程を変更すべきことを命ずることができる。
(4) 事業用電気工作物を設置する者は、保安規程を定め、事業用電気工作物 の使用の開始前に、経済産業大臣の許可を受けなければならない。

問8 次は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定する一般廃棄物処理計 画(当該市町村の区域内の一般廃棄物の処理に関する計画)について述べた ものです。最も不適切なものはどれですか。

(1) 市町村は、一般廃棄物処理計画を定め、又はこれを変更したときは、遅 滞なく、環境大臣の認可を受けなければならない。
(2) 市町村は、一般廃棄物処理計画を定めなければならない。
(3) 一般廃棄物処理計画には、一般廃棄物の発生量及び処理量の見込みを定
めるものとする。
(4) 市町村は、一般廃棄物処理計画を定めるに当たっては、当該市町村の区
域内の一般廃棄物の処理に関し関係を有する他の市町村の一般廃棄物処理 計画と調和を保つよう努めなければならない。

問9 次は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律における国、地方公共団体又は 事業者の廃棄物の処理にかかる責務を述べたものです。最も不適切なものはどれですか。

(1) 都道府県及び市町村は、事業者の事業活動に伴って生じた廃棄物を、都道府県及び市町村の責任において適正に処理しなければならない。
(2) 事業者は、廃棄物の減量その他その適正な処理の確保等に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。
(3) 市町村は、その区域内における一般廃棄物の減量に関し住民の自主的な活動の促進を図るよう努めなければならない。
(4) 国、都道府県及び市町村は、廃棄物の排出を抑制し、及びその適正な処理を確保するため、これらに関する国民及び事業者の意識の啓発を図るよう努めなければならない。

問10 次は、沈殿池の水面積負荷の変化について述べたものです。( )内にあてはまる数値として最も適切なものはどれですか。

A系列、B系列の沈殿池に5:4の水量比で下水が流入している。このときのA系列、B系列のそれぞれの水面積負荷の値a、bの比率a/bは1に等しかった。
次に、A系列、B系列に流入する下水の水量比が5:5に変わった場合、A系列、B系列のそれぞれの水面積負荷の値a ́、b ́の比率a ́/b ́は( )になる。

(1) 2/3
(2) 4/5
(3) 5/4
(4) 3/2

問11 次は、反応タンク内混合液の活性汚泥浮遊物質(MLSS)濃度及び返送 汚泥のSS濃度を示したものです。汚泥返送比が0.80となる組合せとして最も適切なものはどれですか。
ただし、反応タンク内のMLSS濃度は均一とし、反応タンク流入水及び処理水のSS並びに活性汚泥の自己酸化、汚泥転換は無視するものとする。

MLSS濃度 返送汚泥のSS濃度
(1) 2,000mg/L 4,500mg/L
(2) 2,000mg/L 5,000mg/L
(3) 2,500mg/L 4,500mg/L
(4) 2,500mg/L 5,000mg/L

問12 次は、最初沈殿池の操作について述べたものです。( )内にあてはまる語句の組合せとして最も適切なものはどれですか。

反応タンクの活性汚泥の汚泥容量指標(SVI)が高く、沈降性が低下する場合は、最初沈殿池の運転池数を( A )ことで水面積負荷を( B )し、活性汚泥の沈降性を高めるのに必要なSSを( C )へ流出させることがある。

A B C
(1) 増やす 大きく 最終沈殿池
(2) 減らす 小さく 反応タンク
(3) 減らす 大きく 反応タンク
(4) 増やす 小さく 最終沈殿池

問13 次は、オゾン消毒について述べたものです。最も不適切なものはどれですか。

(1) 溶存オゾン濃度と接触時間との積が大きいほど消毒効果が大きい。
(2) 下水処理水では、オゾン注入率は50mg/L程度を標準とする。
(3) オゾン反応タンクからの未反応のオゾンを処理するため、排オゾン処理設備を設ける。
(4) 下水処理水中に含まれるSSや亜硝酸性窒素はオゾン消毒効果を低下させる。

問14 次は、急速ろ過施設について述べたものです。最も不適切なものはどれですか。

(1) 急速ろ過法による直接的な効果は、溶解性有機物濃度の低下である。
(2) りんの除去を目的とした水処理方法と併用することで、りんの除去を安定化させることが期待できる。
(3) ろ過圧の確保方法により、重力式と圧力式に分類される。
(4) 移床型ろ過は、ろ過を行いながら同時に連続してろ材の洗浄を行うため、ろ過水を連続して得ることができる。

問15 次は、水質試験項目について述べたものです。最も不適切なものはどれですか。

(1) 溶解性物質は、水中に溶解しているものが蒸発乾固をしたときに残る物質で、糖類等の溶解性有機物や溶解性塩類等からなっている。
(2) ノルマルヘキサン抽出物質は、合金材料や半導体として用いられ、また、化合物は、殺虫剤、農薬等に用いられる。人体に対して非常に強い毒性を有している。
(3) フェノール類は、多量に存在すると悪臭の原因となったり、また、処理場での処理過程に悪影響を与える。
(4) アルカリ度は、水中又は汚泥中に含まれている炭酸塩、炭酸水素塩又は 水酸化物などのアルカリ分を、所定のpH まで中和するに要する酸の量を、これに対応する炭酸カルシウム(CaCО3)の濃度(mg/L)で表したものである。

問16 次は、BOD及びCODについて述べたものです。最も不適切なものはどれですか。

(1) 一般にBOD/COD比が2程度のときは、活性汚泥による処理がしやすい。
(2) BOD試験は、試料を希釈又はそのままで溶存酸素が存在するような状 態で、20°Cで5日間培養し、その前後の希釈試料中の溶存酸素量を測定して、その差からBODを算出するものである。
(3) BODは、有機物質が、好気性微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素量を表している。
(4) CODは、分析方法が容易であるが、有害物質等による測定の阻害が大きい。

問17 次は、下水処理施設の運転管理に用いる指標について述べたものです。 最も不適切なものはどれですか。

(1) 水理学的滞留時間(HRT)は、流入きょから放流きょまでの平均的な時間を表す。
(2) 固形物滞留時間(SRT)は、処理システムの系内における活性汚泥 (固形物)の平均滞留時間を意味する。
(3) 単位反応タンク容積で1日当たり処理するBOD量で表したものが、BOD容積負荷である。
(4) 単位反応タンク内の汚泥量が1日当たり処理するBOD量で表したものが、BOD―SS負荷である。

問18 次は、汚泥容量指標(SVI)及び活性汚泥沈殿率(SV)について述べたものです。最も不適切なものはどれですか。

(1) SVIは、活性汚泥の沈殿性状を表す指標として広く用いられている。
(2) SVIは、バルキング等の汚泥固液分離障害の指標となるので、SVI の急激な上昇が認められる場合は、活性汚泥中の糸状性生物の有無等の確認が必要である。
(3) SVは、容量1Lのメスシリンダー中で反応タンク内混合液を60分間静置したときの沈殿汚泥の体積を、その試料量1Lに対する百分率で表したものである。
(4) SVは、最終沈殿池での沈殿状況の目安となる。

問19 次は、標準活性汚泥法の水処理施設で起こる異常現象について述べたものです。異常現象とその原因の組合せとして最も適切なものはどれですか。

[水処理施設] [異常現象] [原因]
(1) 反応タンク 異常発泡 硫化物の蓄積
(2) 最終沈殿池 正常な活性汚泥の流出 水面積負荷の過大
(3) 最終沈殿池 汚泥の浮上 過剰な汚泥引抜き
(4) 消毒設備 放流先での魚の浮上 塩素接触時間が長い

問20 次は、返流水に関して留意すべき事項について述べたものです。最も不適切なものはどれですか。

(1) 汚泥の嫌気性消化工程を有する場合、返流水のBOD、SS、窒素及び りん等の負荷量が高くなるので、対策が必要である。
(2) 汚泥の集約処理によって他の処理場の汚泥を受け入れている場合、単独で 返流水を処理することや何らかの前処理を行い水処理に戻すようにする。
(3) 汚泥処理工程のSS回収率が低下する等の異常が生じた場合、固形物収支を検討し、原因となっている工程を把握するようにする。
(4) 焼却工程でシアンが発生した場合、シアンは排ガス洗浄塔で排ガス洗浄排水中には移行しない。

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